家政学雑誌
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調理による野菜の無機成分の動向 (第2報)
ほうれん草およびキャベツについて
江後 迫子堤 忠一永原 太郎
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1976 年 27 巻 7 号 p. 511-514

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抄録

1) キャベツをせん切り水浸することにより, P, Na, K, Mgなどは約10%が失われ, Caは溶出しにくいことが認められた. また水浸5分で溶出すべき無機成分の大部分が溶出した.
2) ほうれん草はゆでることにより脱イオン水ゆで, 水道水ゆでにおいてCaの溶出率がそれぞれ14%と 8%と最も溶出されにくく, 一方Kはどちらでゆでてもほぼ60%という大きな溶出を示した. Fe, P, Mg, Cu, Zn などの溶出はほぼ中間に位置した.
キャベツは脱イオン水あるいは水道水で4分ゆでたとき, 水道水ゆでは全体に溶出率が低いが, Fe, Caが溶出しにくく, P, Mgなどはほぼ30%溶出した. Kはいずれでゆでても30~40%が溶出した. 30分ゆでた場合は, 4分ゆでに比べ溶出率が大となり, とくにKは約 70%が溶出した. 大切りゆでと短冊切りによる溶出率の差は, ほとんど認められなかった.

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