抄録
1) 水玉模様の見え方は照度上昇に伴って良くなる。しかし103 [lx] 以上になると, 見え方低下の現象がみられる.これは人工照明による環境の変化と水玉模様固有の性質および被験者の心理的条件の介入によると考えられる.-平面, 立体 (静止)
2) 視標からの距離が離れるほど輪郭のゆがみが顕著になり見え方は低下する, -平面, 立体 (静止)
3) 水玉直径が大きく面積比が小さくなるにつれ, 水玉間の連通作用が減少し, 見え方は上昇する.しかし直径が大きいと縁辺対比や残像が強まる傾向もみられる.-平面, 立体 (静止・回転)
4) 白, 黒地の見え方比較は, 平面, 立体視標によって傾向が異なる.概して視覚に及ぼす刺激が複雑化し, 見にくい状態になると白地より黒地の見え方が良くなる.
5) 視標が動きを伴う場合, 立体感が強調される.
6) 水玉直径大, 面積比小の立体視標では脇線およびダーツで水玉が途切れ, 全体の流動感を損う.デザイン的配慮が必要である.
7) 速度実験について次報で垂直および回転運動 (速度0~55cm/s) について報告する.