家政学雑誌
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白ソースの分散性と流動特性について
赤羽 ひろ大澤 はま子中浜 信子
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1977 年 28 巻 4 号 p. 299-305

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抄録
白ソースについて, ルーを牛乳中に均一に分散させる操作は “ダマ” の生成を押えると考え, その分散性を検討した.ルーと牛乳を合わせ30秒攪拌後, 42メッシュの節を通過させたときの残渣量で比較検討した.また出来上がった白ソースの流動特性についても, 戸トビスコ回転粘度計を用い, 流動履歴曲線およびずり応力-時間曲線を得, あわせて検討を行った.
1) ルーの加熱温度を変化させた場合, 120℃のルーが牛乳中への分散が最も良いことが示された.
2) 加熱温度120℃ルーを用いた場合, 皮膜形成および仕上げ時間を考慮すると, 80~30℃にさましたルーに60℃の牛乳を合わせることが分散性の良い合わせ方であると認められた.
3) 白ソースの流動曲線は, チキソトロピー塑性一流動性挙動を示した.そこで, 降伏応力とチキソトロピー特性値が求められ, 各特性値ともルーの加熱温度の上昇に従い減少がみられた.
4) 一定ずり速度によるずり応力-時間曲線から白ソースの剛性率が求められ, 120℃, 140℃, 160℃の加熱温度のルーを用いた白ソースでは, 剛性率はほぼ等しく56.0dyn/cm2であることが認められた.
5) 各ずり速度一定の場合のずり応力-時間曲線から求めた最大応力および平衡応力からずり速度を0に外挿することにより, 白ソースの降伏応力が求められた.
6) 白ソースについてずり応力とずり速度の関係はべキ関数の式が適用され, 最大応力と平衡応力について定数Kおよびnが求められた.すなわち, 白ソースはずり速度流動化流動であることが認められた.
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