家政学雑誌
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α-Fe2O3粒子の凝集性とセルロース繊維への汚染性
土井 千鶴子松本 恒隆
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1978 年 29 巻 3 号 p. 162-168

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抄録
SP値の異なる15種の分散媒中にα-Fe2O3粒子を分散させ, 媒体中における粒子の凝集状態とセルロース繊維への汚染性について検討した結果, 次の諸点が明らかとなった.
1) SP値の小さな非極性媒体中では, α-Fe2O3は凝集し, 繊維への汚染性は著しい。一方, 極性媒体中では, 粒子はよく分散し, 繊維への汚染性は少ない.ただし, 水中においては, SP値が高いにもかかわらず, 粒子はやや凝集し, 繊維への汚染性も著しい.
2) n-ブタノールと四塩化炭素からなる2成分系の媒体中では, 四塩化炭素中に少量のかブタノールを混入すると, 繊維への汚染性は増大するが, 多量を混入すると汚染性は減少する.
以上, 本研究において, α-Fe2O3粒子の各種媒体中における分散機構および汚染機構は, SP値によりある程度解釈されることが明らになった.
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© 社団法人日本家政学会
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