家政学雑誌
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電導度滴定法によるシュウ酸の定量
-ホウレン草中のシュウ酸量-
後藤 英子松永 暁子
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1978 年 29 巻 8 号 p. 567-570

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抄録

1) 電導度法によれば従来法より簡便な操作でシュウ酸を定量することができる.
2) ホウレン草の水ゆで抽出シュウ酸溶液と塩酸抽出シュウ酸溶液中に純品のシュウ酸ナトリウムを添加し, 電導度法によって添加回収率を求めた結果, ほぼ100%に近い値が得られた.
3) ホウレン草のシュウ酸定量で電導度法と過マンガン酸カリウム滴定法の結果を比較した場合, 高い相関が認められたが, 水ゆで抽出シュウ酸の場合, 過マンガン酸カリウム滴定法に比べ電導度法は少ない値を示した.
4) ホウレン草のシュウ酸量には季節的影響がみられ, その変動は水ゆで抽出シュウ酸量で大きく, 塩酸抽出シュウ酸量には年間を通して大きな変化がみられなかった.そのため, ホウレン草をゆでてから用いれば, 年間を通じて摂取されるシュウ酸量はほぼ同じことになる.

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