家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
貯蔵温度・湿度が緑茶の品質に及ぼす影響
木村 敬子横田 佳子梶田 武俊
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 30 巻 4 号 p. 394-399

詳細
抄録
煎茶を温度, 湿度の異なる条件下に貯蔵し経時的な成分変化を測定した.その結果高温高湿下に煎茶を貯蔵すると吸湿とともに褐変化がおこり著しい品質の低下が見られた.アスコルビン酸, クロロフィルは減少し, これには温度, 湿度, 貯蔵期間ともに高い有意性をもつが, 各要因の2因子問交互作用はなかった.なかでも温度による影響が最も大きく次いでアスなルビン酸に対しては湿度, 貯蔵期間の順であり, クロロフィルに対してはその逆であった.またタンニンは貯蔵に伴い漸減の傾向を示したが, 温度および湿度の影響はみられなかった.可溶性窒素, 水色についても大きな変化は認められなかった.このような結果から茶を貯蔵する場合は, 低温下で防湿を完全にして保存することが肝要である.
著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top