家政学雑誌
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米ならびにデンプンのアミログラフによる粘度特性について (第2報)
もち, うるち米デンプンの粘度におよぼすタンパク質, 脂質の影響
庄司 一郎倉沢 文夫
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1981 年 32 巻 3 号 p. 167-171

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抄録

もち, うるち米ならびそれぞれのデンプンに対して希アルカリ処理, エーテル処理, エーテル・アルカリ併用処理によって除タンパク, 除脱脂した試料についてアミログラフによる粘度試験を行い, 次の結果を得た.
1) アルカリ処理段階によりタンパク質, 一部脂質を除いたさいのもち, うるち米デンプンのアミログラムからはタンパク質, 脂質が少なくなるにつれてもち, うるち米デンプンとも最高粘度が大となり, タンパク質, 脂質がデンプンの最高粘度に対して影響していることがみられた. しかし糊化開始温度に対しては影響していなかった.
2) エーテルにより脱脂したさいのもち, うるち米のアミログラムからはもち米では脱脂することにより糊化開始温度が早まり, 脂質が糊化に対して抵抗を与えていることがみられたがうるち米ではみられなかった.
3) エーテルで脱脂した後, アルカリ溶液に浸漬したさいのアミログラムからはもち, うるち米ともアルカリ単一処理よりも最高粘度値が小を示し, また, もち, うるち米を比較するとうるち米に対しての影響が強かった.

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