家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
食肉蛋白質におよぼすマリネ時間の影響
妻鹿 絢子三橋 富子細見 博子荒川 信彦
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 32 巻 3 号 p. 199-203

詳細
抄録
マリネ処理時間および酸濃度の食肉蛋白質におよぼす影響について検討し, あわせてマリネ処理肉の官能検査を行った.
1) 浸漬時間の経過および, 酸濃度の増加にともないマリネ肉のpH低下, 重量増加がみられ, 切断応力が経時的に減少して肉がやわらかくなることが認められた.
2) マリネ処理により生じた水溶性窒素化合物の総量は半日~1日経過で著しく増加した.
3) 酸の浸透にともない筋肉蛋白質中のミオシン主鎖の切断がおこり, 150,000 dalton fragmentへ移行することが認められた.
4) 浸漬日数の経過にともない官能的にも肉がやわらかくなると判定された.また, 酸味を感じるパネル数も増加した.
著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top