1982 年 33 巻 4 号 p. 173-178
1) 電子レンジによって加熱した市販食パンの油脂成分を分析した結果, 伝熱加熱したものに較べて次のような差がみられた.
(1) 油脂抽出率が低下し, “結合型” 油脂量が増加した.
(2) 抽出された油脂には, 油脂以外の混入成分が多くなった.
2) また, マイクロ波で前処理したドウで調製したクッキーは, 油脂抽出率の低下と破断力の増加を示した.以上の結果は, マイクロ波照射によって結合型油脂量が増加すること, おそらくそれが物性に変化を与える一因であることを示すものと考える.