家政学雑誌
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非イオン界面活性剤を主体とする液体洗剤の洗浄性
油脂よごれの洗浄に関する研究 (第3報)
岡田 仲子藤井 富美子皆川 基
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1982 年 33 巻 9 号 p. 482-487

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抄録
以上の結果をまとめると, 次のようである.
1) ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤の油脂よごれに対する洗浄力では, 0.01%の低濃度でパルミチン酸, オレイン酸にはHLBの高いものほど, またトリオレインにはHLB12~13の範囲のものがそれぞれ高い洗浄性を示す.
2) HLBの低い非イオン界面活性剤への陰イオン界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの配合は, オレイン酸の洗浄率を高くするが, トリオレインに対しては洗浄率をわずかに低下させる.
3) HLBの高い非イオン界面活性剤への陰イオン界面活性剤の配合は, オレイン酸の洗浄率にほとんど変化を与えず, トリオレインの洗浄率を低下させる.
4) すべての界面活性剤においてパルミチン酸, オレイン酸は木綿布よりもポリエステル布から除去されやすく, トリオレインはポリエステル布よりも木綿布から除去されやすい.
5) パルミチン酸一トリオレイン混合油脂よごれの洗浄性におよぼす非イオン界面活性剤のHLBの影響は35℃におけるポリエステル布について認められるが, 木綿布ではHLBの影響は少ない.
6) 混合油脂よごれに対する市販液体洗剤の洗浄力は, 本研究に用いた非イオン界面活性剤にくらべ35℃におけるポリエステル布ではやや低いが, 木綿布ではほぼ同等の洗浄性を示す.
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© 社団法人日本家政学会
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