抄録
成長期の体型の特徴を把握し, 分類するための基礎資料を得ることを目的として, 7~18歳の女子890名について, 1979年7月から9月に静岡市内の公立学校で衣服設計の立場から計測した身体計測値を資料として, 年齢群別に因子分析を施し, 検討を試みた.
結果 : 1) 年齢群別に73項目 (12歳以下は67項目) の因子分析をした結果, 13歳と16歳では, 第1因子がshape factor, 第2因子がsize factorを表す因子となった.思春期の成長の一時期には, 第1因子と第2因子の表す清報が入れ代わる現象がみられることがわかった.
2) 13歳ではとくに, 成長様相に個体差が大で, 既潮率や初潮来潮後の経過年数による要因がみられた.
3) 肩部, 頸部に関する多くの項目を選択した結果, 第3因子は背面上部から肩部にかけての形態を表す.また第4因子は頸部形態を表す情報因子である場合が多かった.
4) 頸部および肩部の形態特性を把握するには, 今回第3因子, 第4因子に高く負荷した変数について分析を進めることが有効であると考えられた.