家政学雑誌
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卵巣摘出骨粗鬆症モデルラットの骨塩減少に対する酢卵の効果
望月 聡正井 博之江澤 郁子
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1986 年 37 巻 10 号 p. 833-839

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抄録
本研究は, 卵巣摘出骨粗鬆症モデルラットの骨代謝に対する酢卵の効果を検討した.
体重約1009のSD系雌性ラットに卵巣摘出術あるいは偽手術を施し, カルシウム欠乏食 (カルシウム0。0046%, リン0.3%) を24日間与えたのち, それぞれを2群に分け, 酢卵添加食 (カルシウム0.3%, リン0.3%) あるいは低カルシウム食 (カルシウム0.01%, リン0, 3%) を25日間与えた.卵巣摘出により飼料摂取量, 体重増加量が増加し, 血清ALP活性の上昇, 血清総タンパク, アルブミンの濃度が低下した.また, 低カルシウム食の投与によって血清カルシウム, リン濃度, 大腿骨カルシウムおよびリン含量, 破断力の低下が認められ, この現象は卵巣摘出群で, より顕著であった.また, 卵巣摘出ラットにカルシウム欠乏食を29日間与えたのち, 2群に分け, いずれもカルシウム0.3%, リン0.3%を含む炭酸カルシウム食あるいは酢卵食を23日間与えたところ, 酢卵食投与群では大腿骨灰分含量, カルシウム含量, 破断力の増加が認められた.
以上の結果より, 閉経後骨粗鬆症の骨代謝にカルシウム供給源として酢卵が有効である可能性が示唆された.
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