抄録
以上はビニール製品の使用上最も欠陥と考えられる気温の変化による伸びの相違を簡便な装置をもつて実験し、一般雜用フイルムと耐候性フイルムの二種について比較した結果である。
これを要約すると、
1) 経方向に張力を加えた場合は、-65~70℃までの強度300g/mm2における温度による伸びの変化は雜用フイルムは0~300%耐候性フイルムは0~150%で耐候性フイルムは雜用フイルムに比して低温における伸びが大きく高温における伸びが小さい。
2) 緯方向に張力を加えた場合は、温度による強伸度曲線は両フイルムとも殆ど同様な傾向を示す。また、いずれも緯の方が経よりも伸びが大きい。経緯の伸びの差は雜用フイルムでは各湿度にわたり略同一であるが、耐候性フイルムは高温度における経緯の伸びの差が著しく大きく、温度が上昇するに従つて緯の伸びが経に比して増大する傾向を示している。
3) 日光に100時間曝露した場合及び紫外線を3時間、10時間照射した場合の温度と強伸度との関係については、雑用フイルムではそれらの影響は殆ど認められないが耐候性フイルムでは30℃以上の高温度において伸びが増大する。