人間と生活環境
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サングラス装着時における高齢女性の色彩弁別能力
加來 卯子庄山 茂子小渕 信幸栃原 裕
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2009 年 16 巻 2 号 p. 77-83

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抄録
紫外線から眼を保護するためにUVカット機能付きサングラスの装着が推奨されている。本研究では、サングラスのレンズの色の違いによる色の見えについて検討するため、高齢女性を対象に100 hue testによる色彩弁別能力を測定した。作業面照度は約5000lx、調査に使用したサングラスのレンズの色はスモーク、ブラウン、ブルーである。サングラス無しおよびサングラス3種の総偏差点の比較において、サングラス無し群とブラウン群の2群間で有意差がみられ、ブラウン群の方が色彩弁別能力が低かった。100色相別偏差点の平均値の比較において、サングラス無し群とブルー群では100色相中11色相、サングラス無し群とブラウン群では10色相で有意差がみられた。ブルーのサングラスでは黄緑(GY)、青(B)、青紫(PB)から紫(P)領域、ブラウンのサングラスでは赤(R)、黄赤(YR)、緑(G)、青緑(BG)、赤紫(RP)の色相が識別しにくいことが明らかになった。
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© 2009 人間-生活環境系学会
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