都市内噴水の周囲に形成される温熱環境を知るために調査を行なった。噴水は水噴霧と同様の加湿冷却効果を持ち、2種類の噴水の温熱環境の違いが確かめられた。樹陰により噴水から発生する冷気の損失を防ぐことが示唆された。これらを踏まえ、自然風により冷気の偏りが生じにくい水景施設の配置と、冷気の損失を防ぐ樹陰等の日陰を効果的に配置する必要があることが示唆された。
室内湿度の低い冬期を中心に、眼の乾燥による不快の訴えが多数報告されている。湿度によって眼表面を保護する涙液層の安定性や厚さが変化することが示されているものの、これらと眼の不快の訴えの関連は明らかでない。そこで本稿では、基礎的検討として、湿度変化の際の涙液層の状態量の変化が眼の乾燥感および不快感に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。SCL(ソフトコンタクトレンズ)装用者9 名を含む18 名を対象に、複数の湿度条件下で眼に関する生理・心理量を測定し、マルチレベルモデルを用いて個人内・個人間それぞれにおける項目間の相関および因果関係を分析した。この結果、複数の涙液層の状態量の個人内変動・個人差が眼の乾燥感・不快感と関連しており、裸眼では涙液層の安定性が低い時ほど、SCL 装用者ではレンズ上の涙液量が少ない時ほど乾燥感・不快感が強いことを示した。
夜間の降雨時における歩行者の交通事故防止を目的に、4色(黒、紺、青、透明)の傘に、反射テープを「4か所」、「円周」、「放射状」に付けた3パターンと無地の視認性について検討した。夜間に傘を差した人をロービームで照射し、距離100mまでを10m間隔で撮影した144画像サンプルを女子学生 20名が評価した。「無地」の4色の傘の色を比較した結果、20~40m地点において、「青」の傘の視認性評価は、「黒」「紺」「透明」より有意に高かった(p<0.05)。しかし「青」の傘を使用した場合においても時速60kmで走行した場合、歩行者の発見が遅れる可能性が示唆された。反射テープを「円周」「放射状」に付けた傘の視認性評価は、「無地」「4か所」に付けた傘より有意に高かった(p<0.05)。傘を差した状態の視認性を高めるためには、反射テープを「放射状」、「円周」に付けたパターンが有効であることが確認された。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら