人間と生活環境
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日常生活における10代若者の「もったいない」意識と実際の行動
-家庭内生活慣習および学校での授業の影響-
松原 小夜子
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2013 年 20 巻 2 号 p. 155-165

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抄録

 10代若者を対象として、日常生活における「もったいない」意識と実際の行動を捉えるとともに、それらと家庭内生活慣習、親の行動、学校での授業などとの関係および影響を分析した結果、以下の知見を得た。1) 10代若者の「もったいない」意識と実際の行動は、男女ともに高い値であったが、意識と行動による類型では女性の方が有意に高かった。2) 10代若者においても、「もったいない」意識と実際の行動との乖離があり、さらに行動を高めることが重要である。3) 学校での授業との関係では、地球環境等に関する学習は意識と関連があり、暮らし方に関する学習は、意識と行動の両方に関連があった。4) 子の行動には、親の行動とともに、学校における暮らし方に関する学習も影響していた。5) 子が学校の授業で学んだ内容から、親世代も間接的に影響を受ける可能性が示唆された。6) 10代若者の行動を高めるには、親自身が自らの行動で示すとともに、学校での授業、とりわけ体験学習を通して、具体的で実践的な暮らし方を教授することが重要であると考察できた。

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© 2013 人間-生活環境系学会
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