人間と生活環境
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椅子の形態意匠に関する印象評価について
伴野 信彦堀越 哲美
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キーワード: 椅子, 意匠, 評価, SD法, 分類
ジャーナル オープンアクセス

2015 年 22 巻 2 号 p. 81-91

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抄録
椅子の座り心地や形態意匠の表現についての研究は多くなされてきた。しかし、形態意匠への人の評価の研究は少ない。本論文は、デザインに特徴を持つ椅子の形態意匠の印象がどのように評価されているかを明らかにすることを目的とした。一般的に名作椅子と呼ばれる評価が高いとされる椅子の中から31脚の椅子を研究対象として選定した。写真による椅子の印象度を29項目の形容詞対によるSD法によって調査した。被験者は50名とし、一般社会人、デザイン系学生と一般学生の三つの属性から構成される。31脚の椅子のSDプロフィールを作成し、因子分析の結果4つの因子が抽出された。因子得点をクラスター分析し、グループ分けを試みた。その結果、印象評価による椅子の分類は、形状と機能に大きく関わっており、属性ごとに印象評価の違いを見出すことができた。一般社会人は日常生活を軸とした評価の観点を持ち、デザイン系学生は、形状への関心が強く、一般学生は、安楽椅子への関心が強いことが見いだされた。
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© 2015 人間-生活環境系学会
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