本研究は、雪洞「かまくら」内の温熱・空気・紫外線環境を明らかにすることを目的とする。測定は、2019年2月12日に岐阜県高山市において実施した。屋外および「かまくら」内において、気温、相対湿度、気流、長短波放射量、CO2濃度、UV Indexを測定した。測定日の昼間(9:30〜16:00)において、屋外の平均気温は2.2℃であり、「かまくら①(出入口が1ヶ所)」および「かまくら②(出入口が2ヶ所)」の平均気温はそれぞれ0.4℃および−1.1℃であった。UTCIの平均値は、屋外が20.4℃、「かまくら①」が2.2℃、「かまくら②」が1.8℃であった。「かまくら」内のCO2濃度は、炭の燃焼や人体の呼気によって上昇した。昼間の屋外におけるUV Indexの最大値は4.61であり、紫外線の強さは「中程度」と評価された。一方、「かまくら」内では最大でも0.05であり、紫外線強度は極めて小さかった。