人間と生活環境
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中山間地域の使用者からみた単独浄化槽の評価ならびに単独から合併浄化槽に付け換える際の問題点
小林 定教宮地 功黒谷 靖雄
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1997 年 5 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

単独処理浄化槽の設置はトイレの水洗化を可能にし,農村部の室内環境は改善されたが,近年の生活水準の向上,生活様式の変化は,多種多量の生活排水を生み,河川,湖沼の水質汚濁を進めた。そのため生活雑排水の浄化もできる合併処理浄化槽への付け換えが,緊急の課題となっている。本研究では,単独処理浄化槽使用者を対象に単独浄化槽の評価,単独から合併処理浄化槽に付け換える際の問題,点についてアンケート調査を行った。単独処理浄化槽の評価は高く,使用者はトイレの水洗化という利便性を既に達しており,生活雑排水浄化の重要性は認識するものの,今まで未処理のまま放流することを黙認されてきた生活雑排水を自己負担で浄化することに対して納得し難く,合併処理浄化槽への付け換えに踏み切れないと推測される。従って,現実的には既設の単独浄化槽を活かした雑排水の浄化方法の開発と,合併浄化槽への付け換えを並行して進めるべきであると考える。

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© 1997 人間-生活環境系学会
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