人間と生活環境
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においと住生活
松井 静子
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1998 年 6 巻 1 号 p. 4-12

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抄録

住宅において,より好ましいにおいの環境を得るためには,居住者が無くしたいと思っている臭いは何か,その臭いに対する人体の反応,主な原因と対策などを明らかにしなければならないと考え,一般の居住者を対象にアンケート調査を行った。その結果,住宅内各室で,気になる臭いの有感回答は台所が最も多くトイレを上回っており,最も無くしたい臭いは煙草,生ゴミ,排泄物,ペットの臭いの順に多く,それらの臭いがある場所は,回答率の高いほうから台所,トイレ,居間の順であった。臭いを感じたときの対策としては,いずれの場所でも換気が最も多く,常時芳香剤や消臭剤使用はトイレで75%,玄関で34%であった。年齢によって臭気の感じ方に差異が見られたのは20歳代の女性で排泄物や生ゴミの臭いには敏感で煙草臭に対しては許容度が大であった。性別による差異は,トイレを除きいずれの室でも臭気の有感回答は男性より,女性の方が多かった。

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© 1998 人間-生活環境系学会
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