抄録
照度を一定(約450lx)とし,低色温度(2850K)と高色温度(6549K)のLED 照明環境下で被験者12 名を
用いた実験を昼と夕方に実施し,異なる色温度の LED 照明環境下における人体の生理・心理反応の日内変化につ
いて検討した。生理反応として心拍,心拍変動を,心理反応として SD 法による室内の印象評価を測定した。心拍
変動の結果から,夕方,低色温度の LED 照明が副交感神経活動を亢進させる作用については,今後,更に検討す
る必要があることを見出した。LED 照明環境下では色温度や時刻の違いが,自然さ,鮮明さ,安堵感,集中度等の
空間の印象評価および温度感覚に影響を及ぼすことを明らかにした。