疲労時の温熱環境と生理心理量及び作業効率の関係を明らかにするため、13 名の青年男性を対象に、通常の睡 眠時間の場合と、通常より2 時間少ない場合の生理心理量と作業効率を測定した。32℃/50%の人工気候室に85 分間滞在 した結果、通常睡眠条件と睡眠不足条件に温冷感の差は見られなかった。しかし通常睡眠条件と比較して、睡眠不足条 件は、高温環境に移動後の末梢部皮膚温の上昇が小さいものの、実験終了まで緩やかに上昇を続けた。発汗量は睡眠不 足条件の方が有意に少なかったことから、睡眠不足に伴う血管拡張や発汗に関する体温調節能の鈍化が示唆された。