抄録
ファン付き作業服(Ventilated working wear: VWW)や時間帯が建設作業員の生理反応に及ぼす影響を評価するため
に、室温 34℃、相対湿度 50%の条件の人工気候室で実際の作業内容に近い模擬作業を型枠大工 9 名に行わせ、各部位皮
膚温や発汗量等の測定を行った。その結果、大腿・下腿では、VWWありは、VWWなしより有意に高く、概ね34.5℃以
上に維持され、しかも裸体時体重減少密度(脱水量)が小さいので、VWWありでは脱水による末梢血管の収縮が生じな
いという現場実測の結果が検証できた。蒸発密度、裸体時体重減少密度とも午前より午後が有意に高く、裸体時体重から
得られた裸体時体重減少密度は着衣時体重から得られた蒸発密度よりも VWW ありは約 1.2 倍、VWW なしは約 1.5 倍高
値だった。現場で着衣時体重減少量から脱水量を推定する場合は、割増して見積もる必要がある。