トイレ利用時の汚れに対する意識と衣服の取り扱い方の実態を明らかにするため,アンケート調査および 脱衣実験を実施した.アンケート調査の結果,公共トイレで汚れが気になる場所として便座と床が多く挙げられ, 半数以上の人が服に汚れが付かないように何らかの工夫をしていた.中でも,ズボンやスカートなどの下衣を脱 ぐ際に,床に裾が付着しないように工夫する人が多かった.脱衣実験では 2 種類の下衣を腰から下げ,床に付着 する裾の位置と床接触長さを測定した.その結果,ワイドパンツの裾はスーツパンツより床接触長さが長いこと が示された.公共トイレでは下衣の裾が床へ付着しないよう防止策が必要であることが示唆された.