主催: 人間-生活環境系学会
後援: 日本学術会議
会議名: 第44回人間-生活環境系シンポジウム
回次: 44
開催地: 奈良県北葛城郡広陵町馬見中 4-2-2 畿央大学 Web開催
開催日: 2020/12/05 - 2020/12/06
p. 21-24
浴衣の伝統的な構成を保持しつつ夏季の暑熱環境下での熱中症予防と温熱的快適性の向上のため帯内に 薄い吸引型のファンを設置した。帯内の空気を排気し、上昇気流を発生させることで湿度低下をねらった。その 効果を評価するため、衣服内絶対湿度を 5 か所で計測しファンの有無で比較した。「ファン無し」の絶対湿度は帯 で被覆された腹と腰が高湿、胸と背中が中湿、袖の振りの開口部がある上腕が低湿であった。「ファン有り」の絶 対湿度は胸、背中、帯内の腹、腰で有意に「ファン無し」より低湿だった。帯内では回復期の絶対湿度の低下が 胸、背中のように顕著にみられなかった。心拍数により心臓血管システムへの影響を検討した結果により、運動 時、回復期のいずれも有意に「ファン有り」の心拍数が低かった。主観申告では「ファン有り」で温冷感、湿潤 感、べとつき感、蒸れ感、快適感のすべてにおいて温熱的快適性の向上がみられた。