主催: 人間-生活環境系学会
後援: 日本学術会議
会議名: 第45回人間−生活環境系シンポジウム報告集
回次: 45
開催地: 名古屋市南区滝春町10番地3 大同大学
開催日: 2021/12/04 - 2021/12/05
p. 127-130
本研究では、高齢者の低湿度環境による健康リスク低減の観点から、乾燥による不快感や疾患の生じにくい室内湿度環境の形成に資するエビデンス構築を目的としている。本報では、乾燥感発生の湿度条件とその生理量を明らかにするために、一定の低湿度環境下‹相対湿度10%, 28℃›において高齢者を主とした被験者を対象として、生理要因‹皮膚含水率, 皮膚表面温度›の測定と心理要因‹湿度に関する快適感, 温冷感等›の申告を行った。皮膚含水率と快適感申告の結果から、多くの被験者の皮膚水分率が低下して不快と感じる湿度条件において、快適と感じる被験者の皮膚水分率も低下していることが示された。高齢者は、空気の乾燥による皮膚や粘膜での状態の変化について、違和感と捉えることが遅くなるだけでなく、人体表面の水分含有量の低下にも気づきにくい恐れがある。