東海地域にある大学の2つの大学寮において春期に実態調査を行った。本研究の目的は温熱反応に人種差があるかどうかを調べることと主観的な温熱反応の関係性を理解することであり、日本人と外国人との間に温冷感、快適感、好みについて違いがあるかどうかを検討した。5月と6月で日本人214と外国人350の有効なデータが得られた。エアコンの使用率は日本人10%、外国人11%であった。温冷感に人種差は無く、ほとんど中性申告であり、また、両グループともに、90%以上が許容できていた。着衣量は日本人0.49clo、外国人0.45cloと有意な差が認められた。 気温と着衣量との関係においても、温度上昇に対する着衣量を減少させる傾向が日本人の方が大きくなったが、このクロー値に対する温度効果はGaggeらの定義式よりも小さくなったことから、さらに分析や検討が必要である。