抄録
本研究では、看護師を対象に、PPE着用時の熱ストレスによる身体不調の出現状況とその関連要因について明らかにすることを目的に調査を行った。調査対象は、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている医療施設に勤務する看護師1000名である。449名より回答を得た。PPE着用時に熱ストレスが関与したと考えられる不調の自覚があると回答した者は、82.2%であった。経験の有無の関連要因については、PPEの種類では、背部の被覆があるタイプのガウン(OR=2.76, 95%Cl: 1.29-5.88, p=0.009)、および着用時間40分以上が(40~60分: OR=4.83, 95%Cl: 1.12-20.84, p=0.035; 60~180分: OR=4.40, 95%Cl: 1.52-12.71, p=0.006)、熱ストレスの自覚の有無に有意に関連していた。