抄録
日常生活では個人の温熱感覚や代謝量等の違いから、現行の温熱環境指標では快適性の評価が難しく、特に高温側の評価に課題が残る。また、現行の温熱環境指標が成人男性を基にして作られていることから、性別や年齢による違いが指摘されてきた。そこで、本研究では夏場の未就学児との室内遊びを模した被験者実験を行い、成人女性の代謝量と温熱感覚の関係性を分析した。その結果、高温環境下で未就学児と室内遊びを行う成人女性の身体活動量は1.8~1.9METs程度であった。また、室内遊び時のSET*(ASHRAE)とSET*(UC)の温冷感に対する相関関係には顕著な差がみられ、代謝量の影響が確認された。