抄録
冬季における乾燥感の発生に影響する皮膚特性を明らかにすることを目的として、56名の被験者を対象に皮膚特性(含水率、油分、弾力、温度、肌理の細かさ)の測定、および乾燥感、生活習慣についてアンケートを行った。日常的な皮膚乾燥感を「あまり感じない」「とても感じる」と申告した被験者間で有意差があった皮膚特性は、含水率、肌理の細かさの2項目で、乾燥感を強く感じる人の方が含水率は低く、肌理は粗かった。日常的な皮膚乾燥感による体格、生活習慣(体重、運動・飲酒の頻度、睡眠時間、入浴時間)の有意差はなかった。一方アトピー性皮膚炎、喫煙習慣がある人は少数だったが、全員が日常的な皮膚乾燥感について「やや感じる」「とても感じる」と回答した。