抄録
暑熱環境下における人体の部分冷却の効果を評価することを目的として, 暑熱環境下に曝露された状態から20分間冷却椅子に着席し, その後再び暑熱環境に戻るという状況を想定した被験者実験の結果, 人体熱モデルを用いて解析した. 椅子内部の伝熱モデルと組み合わせた解析を行い, 冷却・非冷却それぞれの椅子に着席する場合の臀部皮膚温と前腕皮膚温の測定値の性状を概ね再現することができた. 解析モデルを用いて, 冷却椅子への着席による影響の大きさと持続時間を, 平均皮膚温, 深部温, 血流量および発汗量により検討した.