抄録
2011 年からの 4 年間の女性外来初診患者を対象として,大学病院である当院女性外来の意義について調査した。
患者は,17 歳から 83 歳までの 162 名で,40 歳代と 50 歳代が 6 割を占めた。
130 名( 80 % )が多岐にわたる愁訴を抱え,当外来受診前に内科( 35 % ),婦人科( 26 % ),精神科( 17 % )など,複数の医療機関を受診していた。
診療後は 63 名( 39 % )を他の診療科に診療依頼した。そのうち 43 名は精神科で,受診後 8 割以上が精神科医療を継続した。
時間をかけて診療した結果,初診後 25 %が当科継続通院を求めなかった。
1 回当たりの診療費は女性外来 315 点,総合診療科 553 点であった。
初診時の平均診療時間は女性外来 53 分,総合診療科 32 分であり,時間当たりの診療報酬は極めて低かった。 女性外来は,病院運営上は患者サービスの位置づけとなるが,こうした医療を提供することも大学病院の使命のひとつと考えられた。