抄録
症例は62歳男性。咳嗽,発熱,び慢性のスリガラス陰影を認め肺炎のため入院,抗菌薬治療により軽快退院した。退院当日,発熱をきたし,再び炎症反応の亢進と労作時呼吸困難を認めた。気管支肺胞洗浄液のリンパ球分画の増加を認め過敏性肺炎と考えられた。再入院後軽快したが自宅清掃後の試験外泊にて再発した。 抗Trichosporon asahii抗体は陰性,生活歴を確認したところ昨年末より中古の加湿器の使用が判明した。院内個室にて同加湿器を使用し誘発試験を行ったところ,6 時間後に発熱と炎症反応の亢進をきたし陽性と判断した。患者血清の沈降抗体検査はCandida albicansに陽性であった。加湿器肺と診断し,使用中止を指示し,その後再発は認めていない。