日本医療マネジメント学会雑誌
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急性期病院の入院予約時から始める入院関連機能障害予防の取り組み
青山 百合枝小手川 雄一櫃本 真聿
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2016 年 17 巻 3 号 p. 168-172

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抄録

 高齢化が進む昨今、入院による安静臥床を主たる原因とする入院関連機能障害(Hospitalization-Associated Disability:以下 HAD)の予防が高齢者の生活の質を維持あるいは向上させるための重要な要素となっている。HADは、急性期病院に入院した高齢者の20〜40%程度発症するという報告があり、一度HADを発症すると改善が困難であるという報告もあることから、HAD発症の予防に対する取り組みは急務の課題である。そこで、HADハイリスク者を同定するためのスクリーニング “入院関連機能障害評価シート” を作成した。シートは、除外基準、判断基準、介入方針の3つの要素から構成された。スクリーニングシートに基づき、患者は、問題なし群、看護師によるパンフレットでの説明とセルフリハビリテーション群、理学療法士介入群の3つのいずれかに割り当てられるようフローチャートが作成された。セルフリハビリテーションのプログラムは、整形外科医、認知症専門医、看護師、理学療法士が協働して作成した運動プログラムを取り入れた。また個人でも実施できるように、リハビリテーションプログラムのツールとして、パンフレット及びDVDを作成した。

 このような急性期病院における入院前からのHAD発症予防のための組織的な取り組みについて報告する。

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