日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
地域包括ケア病棟入院患者の転帰先と関連要因
大鳥 和子福島 和代
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 20 巻 1 号 p. 14-18

詳細
抄録

 本研究は、地域包括ケア病棟における在宅復帰支援対策の一環として、当該病棟入院患者の転帰先とその関連要因を明らかにすることを目的に実施した。九州圏内に所在するA病院ならびにB病院の地域包括ケア病棟に入退院した患者485人を対象に年齢、性別、入院前の居住場所、入院目的、入院日数、入退院時の看護必要度(A項目およびB項目)、転帰先を調査し、転帰先との関連要因を調べた。転帰先が自宅や居住系介護施設の在宅であった患者をⅠ群、Ⅰ群以外の施設であった患者をⅡ群、入院中に死亡した患者をⅢ群とした。A病院の地域包括ケア病棟入院患者(以下、a病棟患者)はⅠ群からⅢ群の3つに分類され、B病院の地域包括ケア病棟入院患者(以下、b病棟患者)はⅠ群とⅡ群に分類された。a病棟患者では、年齢はⅢ群が最も高かった。入院日数はⅡ群が最も長かった。看護必要度A項目は入院時、退院時ともにⅢ群が最も高かった。看護必要度B項目も入院時、退院時ともにⅢ群が最も高かった。b病棟患者では、入院日数はⅡ群がⅠ群よりも長かった。看護必要度B項目も入院時と退院時ともにⅡ群がⅠ群よりも高かった。転帰先と年齢、入院日数、看護必要度との関連性があったことから、年齢、入院日数、看護必要度は在宅退院に影響を及ぼす因子である可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2019 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top