高齢化の進む日本において、医療現場ではアドバンスケアプランニング(ACP)の実践が求められている。救命・延命を第一と考えてきた従来の医療とは異なる側面があり、医療職側とくに医師によっては実践に拒否的であるケースが見受けられる。患者の意向を尊重した意思決定のための話し合いをいかに地域に拡大していくかを探索する目的で、徳山医師会所属の医師と看護師を対象に終末期医療への意識調査を実施した。全体でがん末期、慢性疾患の予後不良の状態、老衰期については終末期との認識が高い一方、経口摂取できない状態、セルフケアのできない状態については終末期の認識が低かった。医師群の7割、看護師群の8割で終末期において緩和的ケアを優先すべきと考えているものの、訴訟リスクから過剰な医療行為を行わざるを得ないとの回答が医師群で2割程度存在した。終末期の患者に過剰な医療が行われていると感じている割合は高く、特に男性より女性で高かった。こうした医療への従事は過半数で肉体的負担、7-8割で精神的負担となっていた。ACPの実践は、医師・看護師群ともに7-8割で経験しており、POLSTの患者への使用については多くの看取りありの医師群と看護師群で使用してみたいとの結果であった。こうしたことから患者のためのみならず、終末期医療にかかわる医療職自身のためにもACPを実践し、患者の意向に沿った医療を実践していくことが必要であると考えられる。