医療マネジメント学会雑誌
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幽門側胃切除術パスパッケージの作成と試用
新野 裕美子山本 睦生大谷 哲也
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2003 年 3 巻 3 号 p. 536-542

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抄録
当病棟では平成11年よりクリティカルパス (以下CP) を運用してきたが、チェックリスト的な活用状況で、CPの本来の意義を発揮できなかった。そこで日々のアウトカム、治療、看護を詳細に設定し、チェック方式の日あくりとした新しい形式のCPを開発し、パスパッケージ (以下PP) と称した。PPの運用に際しては、バリアンス分析と対応を日勤中にカンファレンスで検討することを義務づけ、診療記録類は一元化し、業務のスリム化を図った。
平成13年11月から6ヶ月間で幽門側胃切除術施行例30例中12例に試用し、従来のCP使用例を対照群として、その有用性を比較検討した。看護記録を日めくり式のチェック方式にしたことで、看護記録時間は大幅に短縮し、厳密なバリアンス評価が可能となった。日々のカンファレンスの実施は、バリアンスへの迅速な対応にっながり、チーム医療の推進と情報の共有化を実現させた。看護師に対して行ったPPの有用性に関するアンケート調査の結果では、看護師はPPの有用性を充分実感していた。
以上のことからPPは業務のスリム化、バリアンス分析、チーム医療の推進に有用な形式のCPと評価できる。
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