抄録
【目的】肩甲骨面での上肢外転・内転の際,健常者は利き手側と非利き手側を同じパターンで動かすか否かを調べること。【方法】健常成人20名を対象とした。両上肢の運動は,三次元動作解析装置を用いて解析し,10゜ごとの肩甲上腕リズムを算出して比較した。【結果】利き手側と非利き手側の肩甲上腕リズムには統計学的な差はなく,肩甲骨が安定する外転70゜から内転70゜までの間では,肩甲上腕リズムは平均3.3で一定であった。一方外転60゜までと内転60゜以下では肩甲上腕リズムの変動が大きかった。また,外転60゜までは肩甲骨の上方回旋が大きいタイプと小さいタイプに分けられた。【結論】肩甲骨面における上肢外転・内転では,利き手側と非利き手側の差はなかった。外転初期と内転後期に肩甲骨回旋角度の大きさが2タイプあった。