日本保健科学学会誌
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痙直型両麻痺児における起立動作特性が加齢に伴う他動的関節可動域の推移に及ぼす影響
米津 亮新田 收
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2009 年 12 巻 3 号 p. 152-159

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抄録

本研究の目的は,痙直型両麻痺児の他動的関節可動域に動作特性と年齢の因子がどのように影響を及ぼすのか明らかにすることである。対象は,3歳から12歳までの痙直型両麻痺児41名から典型的な起立動作特性を示す29名を抽出した。具体的には,起立動作時体幹の前傾を強める児14名,殿部を前方に移動させる15名の2群である。これら対象者の股関節屈曲・伸展,膝関節伸展,足関節背屈の他動的関節可動域を計測した。年齢層は8歳を基準に2群に分類し,各関節可動域を従属変数,起立動作特性と年齢層を独立変数として,二元配置の分散分析を実施した。足関節背屈では,他動的関節可動域の推移において年齢因子に主効果を認めるとともに,年齢因子と起立動作特性因子において交互作用を認めた。今回の結果は,痙直型両麻痺児における足関節背屈の他動的可動域制限の加齢変化に起立動作特性が影響することを示唆するものと考えた。

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2009 日本保健科学学会
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