本研究の目的は,過去に地域で助産師としての活動体験をもち,現在病院等施設に勤務をしている助産師が,地域での活動体験を活かしている現在の入院中の産褥期ケアは何かを明らかにすることである。研究参加の承諾が得られた助産師9名を対象に,インタビューガイドを用いた面接法を実施し,データ分析はKrippendorffの内容分析の手法を用いた。その結果,37のコードから,11のカテゴリーが抽出された。このうち,《退院に向けての対象のアセスメント》を支える記録単位が他のカテゴリーに比べると最も多く,助産師は地域での活動体験の中でアセスメント能力を高め,現在の産褥期ケアに活かしていると考えられた。褥婦の退院後の生活をふまえた入院中のケアには,特に,退院後の生活イメージと,アセスメント能力において助産師の熟練した高い能力が求められることが明らかになった。