日本保健科学学会誌
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超音波診断用プローブの手把持固定法及び器具固定法による検者間測定信頼性の相違 : 腓腹筋中心腱膜移動距離の測定
乙戸 崇寛澤田 豊竹井 仁妹尾 淳史
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2011 年 13 巻 4 号 p. 193-200

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抄録

本研究の目的は,超音波画像を用いて筋収縮時の腓腹筋内側頭の中心腱膜移動距離を測定する場合において,超音波プローブを手で把持する方法と,器具で固定する方法間の検者間信頼性について検討することである。対象者は健常男性10名とした。超音波画像診断装置(ALOKA社製ProSound6,Bmode,リニア型プローブ)を用いて,各足関節底屈筋力条件(50N,100N,150N,200N)における腓腹筋内側頭の中心腱膜移動距離を2名の測定者(理学療法士)が各々測定した。測定条件は,(1)プローブを手で把持して測定した場合(2)プローブを器具で固定して測定した場合の2条件とし,各条件で検者間級内相関係数(ICC2.1),95%信頼区間(95%CI),測定の標準誤差(SEM[mm])を比較した。その結果,ICC(2.1)は(1)が0.96〜0.90,(2)が0.96〜0.91,95%CIは(1)が0.99〜0.58,(2)が0.99〜0.64,SEMは(1)が0.92〜0.11,(2)が0.38〜0.24であった。結果より,超音波プローブを手で把持する方法による腓腹筋中心腱膜移動距離の測定は,器具で固定する方法と同様に検者間信頼性は高いことが示された。

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2011 日本保健科学学会
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