日本保健科学学会誌
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超音波画像を用いた脛骨大腿骨間の距離計測に関する信頼性
小川 大輔竹井 仁市川 和奈宇佐 英幸松村 将司安彦 鉄平畠 昌史
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2011 年 14 巻 2 号 p. 99-106

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抄録

本研究は,超音波画像を用いて膝関節における脛骨と大腿骨間距離を計測した値の信頼性と,膝関節の超音波画像を抽出する方法の信頼性を検証することを目的とした。実験(1):健常者1名を対象に,検者1名が20種類(関節角度10通り×内外側の関節裂隙)の画像を関節前面と側面より抽出し,画像上の脛骨大腿骨間距離を検者2名が計測した。2名のうち1名は2回計測した。実験(2):健常者1名を対象に,検者2名が20種類(実験(1)と同様)の画像抽出を関節前面と側面で行い,2名のうち1名は2回抽出した。抽出した画像の脛骨大腿骨間距離は検者1名が計測した。実験(1)の結果,前面抽出画像の計測値の級内相関係数(ICC)は検者間・検者内ともに0.999,側面抽出画像の計測値のICCは検者間・検者内ともに0.998だった。実験(2)の結果,前面で画像を抽出する方法の信頼性は高く,ICCは検者間で0.971,検者内で0.984だった。結果より,画像計測値の信頼性は高く,信頼性が高い画像を関節前面より抽出できることが明らかとなった。

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2011 日本保健科学学会
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