2013 年 15 巻 4 号 p. 210-218
本研究は,立位における頭部・頸胸椎・肩甲骨・上肢の姿勢分類を行い,アライメント,筋力および関節可動域との関連を検討した。対象は健常成人で32名,平均年齢は21.9歳であった。アライメント測定は,肩甲骨・頭部・頸胸椎に対し6項目を行った。関節可動域は肩関節・肩甲骨・頸部・体幹に対して行い,筋力測定(最大等尺性収縮)は肩関節・肩甲骨・体幹に対して行った。結果,アライメントはA群:肩甲骨外転・前方傾斜群,B群:胸椎後弯・前方頭位・肩甲骨下方回旋群,C群:理想的なアライメントを有する群の3群に分類された。また,B群では頸部側屈角度が減少しており,あわせて肩甲骨下方回旋位を呈していることから肩甲挙筋の短縮が示唆された。このことから本研究ではアライメントと関節可動域に関連を認めたが,アライメントと筋力に関連は見られなかった。