日本保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-3018
Print ISSN : 1880-0211
ISSN-L : 1880-0211
ランダム化比較試験によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者の作業療法効果
麻所 奈緒子伊藤 祐子
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 16 巻 3 号 p. 123-132

詳細
抄録

長期臥床状態へ移行する過程にあるデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に対しランダム化比較試験を行い,ニーズに基づくOTを実施し,介入群と経過観察対照群のQOLの変化を比較した。評価は,SEIQoL-DW及びMDQoL-60を用いて,3ヶ月間にわたるOT介入前後の変化を測定した。その結果,介入群では,心理的安定,環境,人間関係の項目でQOLの向上が認められた。対照群では,心理的安定,環境,希望,活動の項目で有意に低下が認められた。変化量を比較した結果,心理的安定,ADL環境,希望,活動,人間関係,性の項目で介入群の方が高かった。よって,DMD患者に対するニーズに基づくOTはQOLの向上に繋がる有効な援助の1つであり,効果があることが示唆された。

著者関連情報
2013 日本保健科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top