日本保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-3018
Print ISSN : 1880-0211
ISSN-L : 1880-0211
血友病患者における日常生活活動尺度の開発
後藤 美和竹谷 英之川間 健之介新田 收
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 16 巻 4 号 p. 184-189

詳細
抄録

血友病患者における日常生活活動(ADL)尺度の開発を目的として,無記名の自記式質問紙調査を行った。主な調査項目は,基本属性,ADL生活の質(HRQOL)とした。ADLは21項目動作の困難度を聴取し,HRQOLはSF-36を用いた。有効回答率は37.5%(259名),平均40.9歳であった。21項目動作より12項目を抽出,主成分分析にて順位付けした。12項目のADLはしゃがみこみと階段昇降,坂道歩行,床からの立ち上がり,床への着座,足のつめ切り,第一ボタンの着脱と杖なし歩行,両手での洗顔,洗体,椅子に腰掛ける,靴下の着脱とした。主成分分析では,第2成分まで抽出され,第1成分の全分散に対する比率が49.0%のため,第1成分で対象者のADLが説明可能と判断し,合計点が0〜100点に分布するように再構成し,ADL尺度とした。改めて対象者を得点化したところ,ADL尺度は,SF-36の全下位尺度と相関関係があり,重症度と出血頻度とも有意な関連を認めた。患者のADL困難度の得点化にADL尺度は有効である。

著者関連情報
2014 日本保健科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top