2015 年 18 巻 2 号 p. 59-67
本研究は障害者との「接触経験」と障がい者スポーツに対する「意識や参加行動」の関係性を明らかにすることを目的とした。対象はインターネット調査会社に登録されたモニター220名とし,障害者との「接触経験」と障がい者スポーツに対する「意識」や「参加行動」について調査を行い,χ^2検定を用いて分析を行った。その結果,接触経験の項目のいずれの項目においても障がい者スポーツにおける意識や行動に有意であり,障害者との接触経験は障がい者スポーツの参加行動に重要な因子であるといえる。更に,比較的に早期から障害者との接触経験をもつことや障がい者スポーツを通じた交流や体験を図ることは,共生社会の形成促進を図ることが期待できる。こうした観点からも障がい者スポーツの果たす役割は大きいといえる。