日本保健科学学会誌
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整形外科手術を行った脳性麻痺患者の初回手術時期の適否を判断した要因
楠本 泰士蒔田 寛子古川 順光松田 雅弘新田 收
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2016 年 18 巻 4 号 p. 179-186

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抄録

【目的】整形外科手術を行った脳性麻痺患者の初回手術時期の適否を判断した要因を明らかにすることとした.【方法】手術を受けた本人による回答176 名分を対象とした.調査内容は初回手術時年齢・手術回数・手術部位・現在の身体機能変化に対する満足度・初回手術時期の適否とその理由とした.年齢と手術回数を一元配置分散分析と多重比較検定,現在の満足度をχ2 検定,手術時期の適否の理由を質的分析法を用いて検討した.【結果】手術時期を適切と判断した群とよくわからないと判断した群とで現在の満足度に差があった.また,カテゴリーは「術後の機能回復状態」「社会全体の専門的な情報」「社会への参加状況との両立」「環境因子の影響」「障害の程度による個別性」が抽出された.【結論】手術時期の判断には術後機能変化における満足度が関与していた.身体機能の維持のための環境設定によって手術時期の判断と術後の満足度は改善する可能性が示唆された.

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2016 日本保健科学学会
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