日本保健科学学会誌
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熟練した精神科看護師による統合失調症者の術後疼痛の判断
米村 法子福井 里美勝野 とわ子
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2017 年 19 巻 4 号 p. 167-175

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抄録

目的:本研究は,熟練した精神科看護師による統合失調症者の術後疼痛の判断を明らかにすることを目的とした. 方法:精神科経験3 年目以上で外科系病棟での勤務経験もある看護師9 名を対象に半構造的面接を行い,質的帰納的に分析した.結果:熟練した精神科看護師による統合失調症者の術後疼痛の判断として【手術侵襲の影響と回復状態からの判断】,【幻覚・妄想からの判断】,【疼痛時・不穏時・不眠時指示薬からの選択の判断】,【言語的表現と客観的情報の整合性からの判断】,【複数の立場からの判断】の5 カテゴリーが明らかとなった.考察:【幻覚・妄想からの判断】,【疼痛時・不穏時・不眠時指示薬からの選択の判断】は術後疼痛のある統合失調症患者への特有の判断と考えられた.これらの判断には難しさを伴い,看護師が 仮説的に判断してケアを行うことや,熟練した精神科看護師が中心となって振り返る機会がより求められる.

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