2018 年 20 巻 4 号 p. 147-157
『目的』本研究は、母乳育児を1 年間継続した母親の振り返りから、母乳育児の継続に関連する要因を明らかにした。『研究対象』助産所で出産し、母乳育児を1 年間継続した母親10 名。『研究方法』研究デザインは質的記述的研究である。インタビューガイドに基づく半構成的面接を行った。得られたデータを質的帰納的に分析し、カテゴリー化した。研究者の所属する機関の倫理審査委員会で承認を得て行った。『結果・考察』【母乳で育てることが自然だという母親自身の考え】【母乳を推奨してくれる専門職の見守り】【出産直後から生後4 か月までの母乳育児の後押し】【母乳を与えることを優先させてくれる家族の理解】などのカテゴリーが抽出され、母親の意識の定着や、母乳を推奨してくれる専門職者の見守る姿勢、家族の母乳育児に対する理解が母乳育児の継続には必要であり、特に出産後早期から生後4 か月までの、周りの見守る姿勢が重要であることが示唆された。