日本保健科学学会誌
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震災発生緊急時に訪問看護師が必要と考える対策の準備状況トラフ地域,被災地,一般地域の比較から
益田 育子
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2019 年 21 巻 4 号 p. 192-200

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抄録

本研究では,震災発生緊急時に訪問看護師が必要と考える対策の準備状況を,トラフ地域,被災地,一般地域において解析し,南海トラフ地震対策に役立てることが目的である。研究対象者は203 名の訪問看護師である。3 地域ともに「指揮命令系統や役割分担」「医療機器の対応方法」の準備率が高かった。しかし,「避難所での支援」や「避難行動支 援」に関する対策の準備率は低かった。一方,トラフ地域では「支援活動のシミュレーション」「職員の食料等の備蓄」の準備率が他の地域より高かった。これらの結果から,在宅療養者の避難行動支援計画の遅れが懸念される。計画の策定に繋げるため,訪問看護師は「定期的な外出支援」を互助活動に繋げること,地域包括ケアの取り組みや防災訓練等に積極的に参加し,住民や多職種との関係性を深める努力が必要である。

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2019 日本保健科学学会誌
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